橋本 裕子 ソプラノリサイタル

2008年4月5日(土)
王子ホールにて


《出演》

ソプラノ:橋本 裕子
クラリネット:桜井 真理
ピアノ:小田井 郁子

《プログラム》

グリーグ 「ペールギュントより ソルベイグの歌」
「ハリーライムのテーマ第3の男」
野ばら、菩提樹、ローレライ
ジムノペティ
プッチーニ オベラ<ボエーム>より
私が街を歩くと(ムゼッタのワルツ)
私の名はミミ(ミミ)
オペラ<トゥーランドット>より
王子様、お聞きください(リュー) 他

《コンサートの様子》

小田井(おだい)さんのピアノは、音が深く、ダイナミックで音楽が身体に沁み込んできます。一曲一曲丁寧に演奏され、音色のバリエーションが豊富です。伴奏者としては、プロ中のプロ。ミュンヘンコンクール等の公式伴奏者でいらっしゃいます。安心してソロが吹けました。

橋本さん(ソプラノ)の迫力と体力にはいつも驚かされました。プログラムがハードな中、リハーサルでもしっかり歌って調整されてました。お話しの上手な方で、お得意のMCではいったんマイクを手にすると離さないではないですが(笑)、たっぷり曲解説をされ、また人柄の良さがにじみ出ていました。

3人の衣装の色に合わせ、ブルー、ブラウン、ホワイトを基調としたフラワーアレンジをしてくださいました。


《コンサートを終えて》

ドイツつながりの不思議なご縁で出会った3人でした。この3人でしか出せない音楽表現が出来たのではないかと思います。また機会があれば是非ご一緒したい方々で す。当日、会場は満席でお客様には大変よろこんでいただけたようです。


《コンサートレビュー》

■音楽の友(音楽之友社) 2008年6月号より
・・・まずは冒頭、モーツァルトの《踊れ、喜べ、汝、幸いなる魂よ》での協奏的な性格と楽想を、橋本は愉悦感を持ち、時に華やぎを添えながら、また名技性のあるコロも健闘しつつ歌唱した。シューベルトの《岩の上の羊飼い》では、桜井の好サポートも手伝ってか羊飼いの心情を浮き彫りにし、真摯な息遣いを伝えたのが印象的。後半でのR.シュトラウスでは、行間での微妙な差異への意識などを大切に詩情豊かに聴かせ、プッチーニのオペラ・アリアでは、精神的肉体的強靭さが垣間見えるとともに、張りと潤いのある表現が残像として残った。〈高山 直也〉

■音楽現代(芸術現代社) 2008年6月号より
・・・4曲歌われたシューベルトの中では「セレナード」D889等よい表情で詩も生き生きと浮き立った。cl助奏付の「岩の上の羊飼い」これも実に感情のこもった歌唱でも表現もよいし声の劇的な表情にも説得力があり助奏もよい効果。・・・最後プッチーニのアリア4曲。その中ではトゥーランドドットの「王子様お聞き下さい」がより強いインパクトがあり、リューの涙ながらの心情が強く伝わる。オペラでも見事なテクニックと声を聴かせたが、特に歌曲の印象が強かった。〈家永 勝〉

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